いじめで自殺した中学3年生。松竹景虎君の作文を読んで感じたこと。

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こんにちは、梅原なつめです。
最近こんな悲しいニュースを読みました。

では、いじめの原因は何かを伝えよう。それは「空気」だ。
それが目に見えないものだから恐ろしい。
いじめをしなければ自分がやられてしまうという空気、いじめに参加しないといけない空気。いじめの加害者、主犯でさえも空気によって動かされているのだ。
(松竹景虎君の書いた作文・一部抜粋)

引用:毎日新聞/中3自殺:松竹景虎君が残した夏休みの作文 いじめテーマ


聡明でしっかりとした文章でいじめの原因について深く分析しており、それを作文のテーマにして学校に提出していました。いじめは夏休み前の1学期から始まっていて、夏休みの宿題として提出されたこんな深いメッセージ性のある作文を読んで担任の先生は何も感じ取らなかったのか?何らかの処置をとらなかったのか?とても悲しくて悔しい思いで一杯になりました。景虎君は担任の先生に明確なSOSを出していたんですよね。

「景虎が自殺しようとしていることを知っていたのに、死ぬまで誰も私たちや学校に教えてくれなかった。それこそが、最大のいじめではないのか」
(景虎君の父裕之さん)

引用:毎日新聞/中3自殺:松竹景虎君が残した夏休みの作文 いじめテーマ


景虎君の作文から担任の先生がいじめを感じ取り、早急に対応できなかったこと、そして一部の同級生の保護者が「景虎君がLINEを通じて自殺意図をメッセージにしていたこと」を知っていたにもかかわらず、誰も景虎君の両親や学校に伝えることをしなかった・・・。とても心が痛む事件です。

同時に私達も色々と考えていくべき問題だと。

いじめは「空気」それは同調圧力

いじめや仲間外れの一番の元になるもの、それが同調圧力じゃないかなと思っています。

同調圧力とは・・・自らの所属する集団から被る、その所属集団の多数が支持する意見や行動に対し、同調を迫る明示的、もしくは非明示的な圧力。

引用元:はてなキーワード – はてなダイアリー

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皆それぞれやってはいけないと心では思っていながらも、ここで反論したら自分が対象になってしまう不安と恐怖からその場の空気でいじめ・仲間外れをしてしまう。
今やいじめ・仲間外れは幼児から大人まで社会問題になっていますよね。

集団化によって引き起こる「空気を読んで同調してしまおう」という心理は誰もが経験したことがあると思います。

「松竹君は成績が良く、学校行事でもリーダー的存在であったのだけど、目立つことをよく思わない生徒がいて、悪口を言われたと思う」(同級生談)。過疎地の小規模校・中3が1クラス(21人)という環境の中でのクラスメイトの悪口がきっかけとなり、強力な同調圧力が生まれ、反論できない「いじめの空気」が生まれてしまったように思います。

このような同調圧力によるいじめ・仲間外れというのはいまや低年齢化していて、幼児時期からあると感じています。ひとりの子が標的にされて、その子と遊ばないように強要したりする。
まさにそれに反論すると今度は自分が標的にされてしまうということも幼心にも察知してしまうんですね。

我が家にもこんなことがありました

うちの子供が小学校に入学したばかりの頃、登下校のメンバーでちょっとしたトラブルがありました。

メンバーの中でも気が強い子がひとりの子をターゲットにして、わざとその子の方を見てひそひそ話をしたり、無視をしたり。
ターゲットはどんどん移り変わるもの。いじめっ子が新たに自分よりも下の子を探してまたいじめの空気を作り出す・・・。

そこで新たなターゲットになったのが我が子です・・・。

ひそひそ話をわざと目の前でされたり、会話に入れて貰えなかったり。
一緒に登下校しているのに無視をされ続けることを帰宅する度に泣きながら話す様子に心が痛みました。

登下校トラブルは集団生活にはつきものであり、時間が解決することもあると思い、様子を見ていましたが、小学校に入学したばかりの不安でいっぱいの小さな心が悲鳴を上げていることに母として心底悩みました。

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思いきって担任の先生に相談をし、その仲間外れをしている子のお母さんにも伝えました。

その後、我が子とも話し合い「学校はとても楽しいのに登下校だけがつらい。もう別のお友達と登下校する」という結論を子供が出したことで登下校も別になり、程なくして平和な日々が戻ってきました。

仲間外れを先導していた子にひっぱられるようにいいなりになっていた子は実は以前ターゲットになっていた子でした。
自分も以前ターゲットになったことでその苦痛を体感してしまっていたんでしょうね。
でもその子自身も、板挟みの状況から心がいっぱいいっぱいになり、夜ずっとうなされたり頭痛腹痛を訴えていたとお母さんから聞かされました。

同調して仲間外れをするのも嫌だけど従わざるをえない状況でとても辛かったんでしょう。

いじめ・仲間外れをしない・させないように

今でこそ親が介入することで解決の糸口が見つかったり、子供の友達関係を導くこともある程度は可能ですが、年齢に応じて子供には子供の社会がどんどん生まれてきますので、親がずっと監視しているわけにもいきませんよね。

そこで私が親として今子供に伝えてあげられることを自分なりにまとめてみました

・自分がやられて嫌なことは絶対人にはしない。
・友達の容姿や外見などの身体的なことは言わない。
・「ありがとう」「ごめんね」と素直に言える心を持つ。
・人と自分を比べない。「自分は自分」。自分を好きになる。
・いじめ・仲間外れはいけないことだと理解する。
・嫌なこと、傷ついたことがあったら先生と母・父に報告する。

どこの社会に行っても気の強い人・周囲を自然と統率してグループを作る人はいるものです。
それが良い方向に活かされるか・悪い方向に活かされるか・・・。

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集団生活をしている限りいじめを防ぐ方法はないと思います。
その集団生活の中で同調圧力のいじめに負けてしまいそうな時は少なからずあること。
親が家庭という子供が安心して安らぐことのできる場を守り抜き、追い詰めることなく辛かったことを共感してあげることって大事なんじゃないかなと感じています。
教育云々よりもまず大事なのは我が子の心と命。
親ならきっと行き着く所はそこですよね。

いじめを受けて辛かった心に共感し、子供が今抱えている辛さを受け止めてあげる。

そして他人と自分を比較しない「ありのままの自分を好きになる」ことを親が導いてあげることで自己肯定感を高めることができる。それがいじめに屈しない強い心を作り出すことに直結するんじゃないかなと。

景虎くんが最後に伝えたかったこと

この問題を解決する方法はただ一つ・・・・。みんなが親友になることだ。
そう、実はすごく簡単なはずなのだ。人の笑顔は人を笑顔にし、その笑顔がまた別の人を笑顔にすると思う。僕の好きな歌にこういう歌詞がある。
「空気なんてよまずに笑っとけ、笑顔笑顔、笑うかどには福来る」。
暗い顔をしていてもいいことは起こらない。
学校で習う数学の公式や英単語を忘れても、笑顔の大切さだけは忘れないでください。(松竹景虎君が書いた作文・一部抜粋)

引用:毎日新聞/中3自殺:松竹景虎君が残した夏休みの作文 いじめテーマ

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いじめに立ち向かうことは勇気がないとできません。ましてやいじめは「空気」であるというように、それを打破する心の強さもなくなってしまうことだってあると思うのです。

そんなときは先生や家族に何度でも相談するべきであり、今回の松竹景虎君も夏休みの作文という手段を使ってしっかりとしたSOSを出しているだけにとても悔やまれます。

ひとりひとりが他人の心を思いやり、「ありがとう」「ごめんね」が素直に言える心を持ち続け、大人がそれを子供にしつこい位に教えてあげたいと思っています。

そして「笑顔の大切さ」母である私もしっかりと心に刻んでおきたいと。

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この記事を書いた人

梅原 なつめ

梅原 なつめ

総合商社勤務を経て、Webライターに転身。趣味は食べること飲むこと。 家事は手抜きをしても食べることへの探究心は惜しみません。

いじめの問題は子供たちに限ったものではありません。最近では職場でのいじめも社会問題化しつつあります。

特に女性だけの職場での陰湿ないじめは昔からよく聞きますね。
先輩看護師から嫌がらせを受けています

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