転職希望の看護師。過労を退職理由にするのは逃げでしょうか?
質問
Question20代後半の女性看護師でキャリアは4年ほどになります。
度重なる残業で体力的な限界を感じ始めました。
上司に相談したのですが、
「他のスタッフも同じような環境にいるのだから、自分だけ辞めるのは逃げではありませんか?」
と言われてしまいました。
看護師のキャリアについて詳しい人に、過労による体力の限界を理由に辞めるのは逃げなのかアドバイスをもらいたいです。
回答
Answer体力の限界を感じるほどであれば、よほど過酷な労働環境なのでしょうね。
残業が続くと疲れを取る暇もなく勤務しなければならず、そのように感じるのは無理もないことでしょう。
疲労が蓄積すれば日常の業務に支障をきたすだけでなく、医療ミスを誘発することにもなります。
相談した上司が言った『他のスタッフも同じような環境だから』というのは、質問者様さえ我慢すれば事が収まるという意図で発したのかもしれません。
このままの状態が続けば、やがて過労死の危険も出てきます。
新しい職場を探して自分にとって働きやすい環境を手に入れることは、逃げなどではなく前向きな姿勢だと思います。
他人事ではない過労死問題
新人や若手の看護師ほど厳しい残業が待ち構えている看護の現場において、月間60時間以上の時間外労働をする看護師は、全国で約2万人いるとも言われています。
過労死裁判の判例によると、時間外労働による過労死の原因は月60時間以上が目安となっています。
時間外労働が発生する大きな原因は病院側の運営体制にあります。
元気な若い世代の看護師に業務を任せるとともに、時間外労働をサービス残業とする雰囲気によってますます看護師たちの過労が募るばかりです。
まずは、自分が知らないうちに残業をすることが当たり前になっていないか、職場体制を見つめてみましょう。
新しい環境へのチャレンジは逃げではない
勤務する職場が日常的に過労状態になりやすい環境であるならば、自分にとって働きやすい病院への転職がおすすめです。
日本人の特性として、一度始めたことはやり通すという価値観があります。
就職したからにはどんなに苦しくてもそれに耐えて働き続けるということも、もちろん尊いものです。
しかし、体力的にも限界が見えてきたのであれば、その考え方自体を見なおして、残業ができるだけ少ない環境を求めるのも重要です。