学会認定・自己血輸血看護師
手術をする際に必要となるのが出血にともなう輸血です。
他人の血液を使用する輸血とちがい、自分の血を貯めて手術に使うことが身体的な負担も少なく感染症予防の観点からも推奨されています。
自己血採血を中心に自己骨髄細胞移植による血管新生療法のような高度医療まで、自己血輸血看護師が医療現場で患者様の安全性を高めるために果たす役割は計り知れません。
看護師業務への活かし方
本来は医師が行うべき自己血輸血の業務も、実際の現場では看護師に任されている傾向が強いのが現状です。
病院内で安全な輸血を実施するリーダー的存在としてチーム医療の主旨を推進するために、学会認定の自己血輸血看護師として活躍することで輸血療法のクオリティを高め、患者様のケアをワンランクアップさせます。
資格取得に向けて
資格取得の条件
- 毎年開催される日本輸血・細胞治療学会で学会認定・自己血輸血看護師制度受験に必須の『学会認定・自己血輸血看護師制度セミナー』に参加すること
- 毎年秋に3日間行われる合同研修・筆記試験・施設研修を受験すること
取得に向けての勉強方法
『学会認定・自己血輸血看護師制度セミナー』および研修・試験を通して自己血輸血に関する専門知識とスキルを学ぶことが資格取得のアプローチです。
セミナーのカリキュラウム内容としては、指定テキストと学習を進めながら、集中講義10時間を経て筆記試験に臨みます。
自己血輸血に関する知識とともに輸血療法の概要から各科によって異なる輸血の取り扱いの違い、さらに血液製剤などが学習範囲です。
学会認定・自己血輸血看護師の大変さとやりがい
自己血輸血の知識とスキルは多彩な診療科目で活かすことができるものです。
それまで医師が実施すべき行為でありながら看護師が携わっていた自己血輸血が学会として確かな認定制度を設置したことで、看護師の仕事の幅と責任が増えました。
医師や他の看護師などとの連携の中心となったり、院内スタッフへの知識教育に注力する意義の大きな資格です。